OllamaがローカルAIの「CLI派の定番」なら、GUI派の定番はLM Studioだ。画面でモデルを探してチャットできる手軽さで人気を集めてきたが、2026年1月の大型アップデート(v0.4.0)で様子が変わった。GUIなしで動くサーバー版と、本格的なCLI「lms」に本気を出してきたのだ。
しかも隠し玉がある。Anthropic互換のAPIを搭載したことで、Claude Codeを手元のローカルモデルで動かせる。この記事では、lmsコマンドの一覧から、ヘッドレス運用、OllamaとのSelection基準まで通しで案内する。
lmsの正体: GUIアプリに同梱された本格CLI
lmsはLM Studioをインストールすると付いてくるコマンドラインツールで、CLI部分はMITライセンスのオープンソース(GitHub約5.1千スター)。本体アプリも個人・社内利用は無料だ(2025年7月に業務利用が無料化された)。「GUIで試して、慣れたらCLIで自動化」という二段構えができるのが、Ollamaにはない持ち味になる。
主要コマンド一覧
| コマンド | 何をするか |
|---|---|
| lms chat | ターミナルでモデルと対話(/modelでモデル切替も) |
| lms get | モデルの検索とダウンロード(@q4_k_mのように量子化も指定可) |
| lms load / unload | モデルをメモリへロード/解放 |
| lms ls / ps | 手持ちモデル一覧/ロード中モデル一覧 |
| lms server start | ローカルAPIサーバー起動(標準ポート1234) |
| lms daemon up | GUIなしデーモン「llmster」の起動 |
| lms status | 全体の状態確認 |
| lms log stream | 入出力ログをリアルタイム表示 |
覚えておきたいフラグが3つある。--gpu(GPUへの載せ具合を0〜1で調整)、--context-length(コンテキスト長)、そして地味に便利な--ttl——指定秒数使われなかったら自動でメモリから降ろす設定だ。メモリの取り合いになりがちなローカルAI運用で、これがよく効く。
本命の使い方: ローカルモデルでClaude Codeを動かす
v0.4.1で加わったAnthropic互換API(/v1/messages)が、この記事でいちばん伝えたい機能だ。Claude Codeの接続先をローカルに向けるだけで、APIキーなし・通信なし・課金なしのコーディングエージェントが手に入る。
lms server start
export ANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:1234
export ANTHROPIC_AUTH_TOKEN=lmstudio
claude --model ローカルのモデル名
もちろん実力はローカルモデル次第で、フロンティア級の代わりにはならない(公式もコンテキスト25Kトークン以上のモデルを推奨している)。それでも、機密コードを一切外に出さずにエージェントを試せる環境が無料で組めるのは大きい。OpenAI互換(/v1/chat/completions)とResponses APIも備えるので、Codex系のツールからも同じ要領で繋がる。
lmstudio.ai lms(LM Studio CLI)公式ドキュメント 一次情報。全コマンド・フラグ・API仕様の正典。Claude Code接続手順の公式ガイドもある。Ollamaとどっちを選ぶか
| LM Studio | Ollama | |
|---|---|---|
| 入口 | GUIで始めてCLIへ | 最初からCLI(公式GUIもあり) |
| モデル形式 | GGUF+MLX(Apple Silicon特化エンジン) | GGUF系 |
| ライセンス | 本体無料(非OSS)/CLI・SDKはMIT | 全体がMIT OSS |
| 向く人 | Mac使い・GUIで管理したい人 | OSS派・スクリプト自動化派 |
結論はシンプルで、Apple Siliconユーザーの体験はLM Studioに分がある。MLXという専用エンジンをGGUFと切り替えられるのが効いていて、今年6月のアップデートでは長文・エージェント系の処理がさらに速くなった。一方、完全OSSにこだわるなら、あるいはサーバーでの定番構成を組むなら、Ollamaの素直さが勝る。両方入れて使い分けても、喧嘩はしない。
動作条件だけ最後に確認
MacはApple Silicon(M1以降)+macOS 14以上が必須で、Intel Macでは動かない。WindowsはAVX2対応のx64(またはSnapdragon X)。メモリはどのOSでも16GB以上が推奨だ。何がどこまで動くかの相場観は「Mac mini×ローカルLLM入門」に書いたとおりで、まずはlms getで4Bクラスの小型モデルから試すのが定石。GUIの安心感とCLIの自動化を行き来できる「二刀流」こそ、このツールの一番の贅沢だ。
出典: LM Studio公式「lms」ドキュメント / 公式ブログ「v0.4.0」(llmster) / 公式「Claude Code接続ガイド」 / 公式「業務利用無料化」。2026年7月21日時点(v0.4.19)。





