「いかがでしたか?」まで読んで、そっとタブを閉じた——誰にでも覚えのある瞬間だと思う。書いてあることは間違っていない。でも、誰が書いても同じ文章で、どこにも「書いた人」がいない。読んだ時間だけが消えていく。
当サイトは、AIを執筆に全面的に使っているメディアだ。だからこそ「AIっぽさ」とは毎日格闘している。この記事では、AI文章が「バレる」理由を部品レベルで分解し、当サイトが実際に運用している脱AI文体のルールをそのまま公開する。
「AIっぽさ」の正体は4つある
読者がAIっぽさを感じ取るポイントは、突き詰めると4つに絞れる。①定型句(「いかがでしたか」「〜と言えるでしょう」)、②構成の反復(どの記事も同じ骨格で、最後は必ず「まとめ」)、③リズムの単調さ(同じ語尾が3連続する、一文の長さが揃いすぎる)、そして④体験の不在(その記事にしか書けないことが1行もない)だ。
定型句が嫌われる理由は、失礼だからではない。留守番電話の自動音声に似ているからだ。丁寧なのに、誰にも向けられていない。読者は内容より先に、その「向けられていなさ」を感じ取ってページを閉じる。
Googleは「AIだから」では減点しない
前提を1つ確認しておきたい。Google検索セントラルの公式ガイダンス(2023年2月)によれば、AIで作ったこと自体はペナルティの対象ではない。評価されるのは制作手段ではなく、コンテンツの品質と有用性だ。一方で、検索順位の操作を主目的にした低品質な量産はスパムと明言されている。
つまりAIで書くことを隠す必要はない、と読むのが自然だろう。問われているのは「AIを使ったか」ではなく、「その記事は、あなたのサイトにしか書けないものか」のほうだ。Googleが品質の物差しとして掲げるE-E-A-Tも、同じ方向を指している。
developers.google.com AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス 一次情報。「制作方法ではなく品質で評価する」というGoogleの公式スタンスの原典。AIでサイトを作るなら一度は読んでおきたい。当サイトが使っている「脱AI文体」のルール
ここからが本題だ。当サイトの執筆ルールは、先ほどの4つの正体に1対1で対応している。定型句には禁止リスト(「いかがでしたか」等は使用禁止、同じ語尾の3連続も禁止)。構成の反復には型のローテーション。タイトル・書き出し・締め方にそれぞれ複数の型を持ち、直近の記事と同じ型を続けて使わない。
リズムの単調さには散文優先のルールで対抗する。箇条書きは1記事1箇所まで。文章の要約はAIに任せず、流れの中で語る。そして体験の不在には、意見の明示(記事に最低1回、筆者の見立てを書く)と生活の比喩(その記事のために考えた、暮らしの実感に根ざしたたとえを1つ入れる)で向き合っている。
そして書き終わったあとに、もう1段ある。機械監査だ。皮肉なことに、AIっぽさの検出はAI(プログラム)が得意で、定型句の出現回数、語尾の連続、見出しの使い回しを全記事横断でチェックしてから公開する。
(型をローテ) → 機械監査
(定型句・語尾・重複) → 人の推敲
(1本ずつ文脈で) → 公開
図: 当サイトの執筆フロー。修正は一括置換ではなく、1記事ずつ文脈を読んで行う(筆者作成)
1つ補足すると、監査で見つかった問題を一括置換で直すことはしない。同じ言い回しでも、文脈によって最適な直し方は違うからだ。機械で見つけて、人間の目で1本ずつ直す。この分担が崩れると、今度は「修正のパターン」が新しいAIっぽさになる。
それでも残る「機械の匂い」
正直に書いておくと、この方法は完璧ではない。ルール化した瞬間、ルールそのものが新しいパターンになる。当サイトの記事も、並べて読めば癖は見えるはずだ。「型をローテする」という型。「比喩を1つ入れる」という比喩の入れ方。いたちごっこであることは自覚している。
AI検出ツールに頼る道もあるが、こちらも万能ではない。人間が書いた文章をAI作と誤判定する例は広く知られていて、「検出ツールが白と言ったから人間らしい」とは言えない。結局、最後に効くのは体験の一次情報だ。実際に手を動かして規約や統計を確かめたAI副業10選の裏取り記事のような中身は、文体をどれだけ整えても、AIだけでは書けない。
最後に残る問い——「らしさ」とは誰のものか
脱AI文体の技術は、突き詰めると「人間らしさの再現」ではなく、「この記事を書いた理由を、文章のどこかに残すこと」に行き着く。定型句を消すのも、意見を書くのも、全部そのためだ。
ただ、AIの文章は今後も上手くなり続ける。比喩も意見も、いずれもっと自然に作るようになる。そのとき「人間らしさ」はどこに残るのか——当サイトもまだ答えを持っていない。分かっているのは、読者の目が最後の監査役だということだけだ。この記事も、その目で読まれている。
出典: Google検索セントラル「AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」(2023年2月) / 当サイトの執筆・監査ルール(2026年8月時点の運用)。E-E-A-TはGoogleの検索品質評価ガイドラインに基づく。





