画像AIに「文字だけ直して」と頼んだら、人物の顔まで別人になって返ってきた——。生成AIで絵を作ったことがある人なら、この「画像ガチャ」に一度は疲れているはずだ。狙い通りが出るまで、引き直しの繰り返しになる。
xAIが2026年8月7日に一般公開した「Grok Imagine Image 2.0」は、まさにそこを狙った画像AIだ。合言葉は「実務で使える画像」。直したい場所だけを直す編集機能を主役に据えてきた。無料で試せるので、週末の遊び道具としても紹介したい。
何ができるようになったのか
Image 2.0は、grok.comのImagineとiOS/Androidアプリに「Quality Mode」として搭載された。新モデルの柱は生成の精度と編集の細かさだ。指示への忠実さが上がり、デザイナーが組むような文字レイアウトや、小さな文字のつぶれにくさをうたう。
| 機能 | 何ができるか |
|---|---|
| マジックワンド | 指した部分だけを編集し、他は一切変えない |
| セグメンテーション | 「服だけ」「空だけ」のように領域を正確に選ぶ |
| 背景除去 | 被写体を透過背景で切り抜き、他の作業にそのまま使える |
| マルチ参照 | 最大5枚の画像を渡して1枚に合成。手作業の合成が不要に |
| スマートリサイズ | 9種類の縦横比に、足りない部分を描き足して変換 |
「世界2位」の中身——アリーナという通信簿
xAIは、Image 2.0が画像生成と画像編集の両部門で世界2位にランクインしたと発表している。順位の根拠は「アリーナ」と呼ばれる公開投票サイトだ。利用者に2つのAIの結果を並べて見せ、どちらが良いかを選ばせて集計する。
自己申告ではあるが、アリーナは第三者の投票で動くため、順位の水増しはしにくい。生成だけでなく編集部門でも上位という点が、このモデルの性格をよく表している。作りっぱなしではなく、直させたら強いという評価だ。
x.ai Imagine Image 2.0 xAIの公式発表。編集機能のデモ動画と、アリーナ順位の根拠がまとまった一次情報。何に使えるか——「試す」のに理由は要らない
公式は、商品写真・ヘッドショット(プロフィール写真)・アイコン・ゲーム素材など、よくある作業を型として用意した「テンプレート」も同時に公開した。ネットショップの物撮りをそれらしく整えたり、SNSのアイコンを量産したり、といった用途が想定されている。
遊びの入り口としては、手持ちの写真の背景だけ差し替えるのが分かりやすい。1枚の写真から立体フィギュアを作るAIフィギュアの記事で紹介した流れとも相性がよく、素材づくりの前段として使える。母体のモデルが気になる人は、直前に出たGrok 4.6の解説もどうぞ。
触ってわかる注意点と、正直な現在地
注意点を3つ。第一に、無料枠には回数などの制限があり、Quality Modeの本領は有料プランで出やすい。第二に、APIでの提供はまだ始まっていない(2026年8月時点)。アプリとWebで手を動かす道具である。第三に、実在人物の写真加工は、悪用すればディープフェイクそのものになる。他人の顔で遊ばない、は最低限の線だ。
画像AIの競争は「きれいな1枚を出す」段階から「直しの指示が通る」段階へ移った、というのが触ってみての率直な印象である。デザイナーの仕事がなくなるというより、デザイナーへの発注書がそのままAIに通じるようになってきた。まずは1枚、失敗してもいい写真で試してみてほしい。ガチャではなく「修正指示」が通る感覚は、触った人にしか分からない。
出典: xAI公式(Imagine Image 2.0) / TestingCatalog(Quality Modeの提供形態) / Arena(画像生成・編集リーダーボード)





