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WPA MCPとは | 「Windowsが遅い」の犯人探しをAIに任せる新ツール

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車のスピードメーターのクローズアップ

Microsoftが2026年7月30日、Windowsの性能調査ツール「Windows Performance Analyzer(WPA)」にGitHub Copilotを組み込む「WPA MCP」の早期プレビューを公開した。「このアプリ、なぜ遅い?」という質問を、普通の言葉でそのままAIに投げられるようになる。

「パソコンが重い」の原因調査は、実は専門家でも骨の折れる仕事だ。記録ファイルの中には膨大なデータが詰まっていて、どの表のどの列を、どの時間範囲で見るか——それを知っていること自体が職人技だった。その職人技の入口を、チャットで置き換えようという試みである。

「遅い犯人」を言葉で探せる

使い方はシンプルだ。WPAでトレース(動作記録)を開き、ウィンドウ右上のGitHub Copilotボタンを押す。あとはCopilotのパネルに「CPUを食っている処理は?」「入力の遅延はどこで起きた?」と聞くだけ。AIが関連するグラフや表を特定し、根拠となるデータを添えて分析を返してくる。

気の利いた点は、会話を続けられることだ。「それはシステム全体の問題? このアプリだけ?」と追いかけると、調査をやり直さずに深掘りしてくれる。従来なら数十分の試行錯誤だった切り分けの第一歩が、質問ひとつ分に縮む。

devblogs.microsoft.com Introducing WPA MCP: Early Preview of AI-assisted trace analysis in WPA 一次情報。使い方の手順、前提条件、プレビューの狙いが開発チーム自身の言葉で書かれている。

ETWという「Windowsのドライブレコーダー」

WPAは、このETWの記録を人間が読めるグラフに変換する公式ツールだ。強力な反面、習熟の壁が高いことで知られてきた。今回のWPA MCPは、その壁の通訳としてAIを挟む。仕組みとしては、質問の意図をトレースデータの探索に変換し、意味のあるシグナルを拾い上げて、分析の形に組み立てる役をMCPサーバーが担う。

人が普通の言葉で
質問する
WPA MCPが質問を
データ探索に変換
関連するテーブルと
時間範囲を特定
証拠付きの分析を
Copilotペインに表示

図: WPA MCPの処理の流れ(Microsoft公式ブログの説明をもとに筆者作成)

入手はMicrosoft Storeから。「Windows Performance Analyzer (Preview)」を入れると使える。ただし条件がひとつ。GitHub Copilotの有効なサブスクリプションが必須で、現時点でほかのAIアシスタントにはつながらない。

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connect24h
@connect24h

コレは胸熱、Windowsアプリが遅い原因、AIに調査を丸投げできる時代が来た。マイクロソフトが「Windows Performance Analyzer MCP」(WPA MCP)のアーリープレビューを公開。

2026年8月5日元ポストを見る

ターミナル派には兄弟の「ETW MCP」

実はWPA MCPには、ひと足先(7月21日)に公開された兄弟がいる。画面を持たないMCPサーバー「ETW MCP」だ。こちらはターミナルから使う自動化向けで、開発チームは設計をこう要約している。「MCPがトレースの力仕事をこなし、LLMがその結果の上で推論する」。

WPA MCPETW MCP
使う場所WPAの画面内(GUI)ターミナル・CI
対応AIGitHub Copilotのみ(サブスク必須)MCP対応クライアント全般
向く用途対話しながらの原因調査スクリプトでの一括解析・回帰比較
表: 2つのMCPツールの使い分け(2026年8月時点、Microsoft公式ブログより)。

文脈として面白いのは、MicrosoftがここでもMCP(Model Context Protocol)を選んだことだ。MCPはAnthropicが2024年に公開したオープン標準で、AIと外部ツールをつなぐ共通規格として、今や陣営を越えて使われている。WindowsのOS性能調査という「本丸」の道具にまで採用が及んだ、という見方もできる。


「丸投げ」には、まだ条件が付く

期待値の調整もしておこう。まず前述のとおり、入口はCopilot課金者に限られる。会社のPCで試すなら、Copilotのライセンスと社内ポリシーの確認が先だ。

そしてMicrosoft自身が、出力への免責をはっきり書いている。「AIの回答は実行のたびに変わりうるし、不完全・不正確でありうる。最終診断ではなく、アシスタントが作った出発点として扱ってほしい」。犯人探しの当たりを付けるのはAI、判決を下すのは人間——この役割分担は、当面変わらない。プレビュー版ゆえ、仕様が大きく動く可能性も残る。

性能調査が「専門職の儀式」でなくなる日

それでも方向性は歓迎したい、というのが筆者の立場だ。ETWトレースの解析は、これまで一部のエンジニアだけが持つ暗黙知だった。その入口が会話になれば、「遅い」と感じたときに記録を取って原因を探る文化そのものが広がる。Windows 11の高速化に取り組むMicrosoftの一連の動きとも、根っこでつながっている話だ。

興味が湧いたら、まずは土台になっているCopilotの現在地をGitHub Copilot CLIコマンド一覧で押さえておくといい。次にWindowsの「重い」に出くわしたとき、あなたの隣にはもう相談相手がいる。


出典: Microsoft「Introducing WPA MCP」 / Microsoft「Introducing the ETW MCP」 / Publickey / ITmedia NEWS

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