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Blender 5.2とは | 物理シミュがノードで組める、無料3DCGの新しい足場

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浮遊する立方体と光る球体の3Dレンダー

7月14日、無料3DCGソフトの定番Blenderに、2年間サポートされる安定版「5.2 LTS」が予定どおりなら到着する。目玉は、布や煙のような物理シミュレーションをノードで組めるようになること。プロ向け機能の民主化を続けてきたBlenderの、次の一歩だ。

「3DCGはAIと関係ないのでは?」と思うかもしれない。実際は逆で、AIで3Dモデルを作る動き(BlenderにAIを入れる方法で紹介した)の受け皿になるのが、まさにこの無料ソフトだ。土台側の進化も追っておく価値がある。

  • 何が来る: Blender 5.2 LTS(2026年7月14日リリース予定)。2年サポートの長期安定版。
  • 目玉: ジオメトリノードによる物理シミュレーション、新しいFillツール、Bevelノード、音声データを扱うSample Soundノード。
  • 地味に嬉しい: 葉や紙をリアルに描くThin Wallモード、アセットライブラリのリモート共有対応。

物理シミュが「ノード」になる意味

今回いちばんの変化は、ジオメトリノードで物理シミュレーションを組めるようになることだ。ノードとは、処理を箱と線の組み合わせで表す仕組みのこと。プログラミングのコードを、目に見えるブロックの配線に置き換えたものと思えばいい。

これまで布・剛体などのシミュレーションは、決められた設定パネルの範囲でしか調整できなかった。ノード化されると、「風で揺れる旗の動きを、音楽のビートに反応させる」といった組み合わせの自由が生まれる。新設のSample Soundノード(音声ファイルから周波数データを取り出す)と繋げば、音に反応する映像表現がBlenderだけで完結する。

新機能を一望する——Fillツールから「薄い壁」まで

新機能何ができる誰に効く
ノード物理シミュレーション布・剛体などをノードで自作モーション・映像制作
Fillツール / Bevelノード面張り・角丸めの新方式モデリング全般
Sample Soundノード音声の周波数データを取得MV・オーディオビジュアル
Thin Wallモード葉・紙など極薄物の透け感を物理的に正しく描画自然物・プロダクト
リモートアセットライブラリ素材集をネット越しに参照・必要時ダウンロードチーム・教育
表: Blender 5.2 LTSの主な新機能(ベータ版の公開情報より、2026年7月12日時点)。

筆者が楽しみにしているのはリモートアセットライブラリだ。素材集を「各自のPCにコピーして配る」時代が終わり、ネット上の共有ライブラリから必要なものだけ取り寄せる形になる。追加素材のハードルが下がるのは、初心者にこそ効く変化だろう。


3月の5.1で足回りは既に速くなっている

忘れられがちだが、今年3月の5.1で性能面の下ごしらえは済んでいる。ボーン(骨組み)2,600本のキャラクター評価が2倍以上速くなり、シェイプキーの評価は最大4倍速に。AMDのGPUではハードウェアレイトレーシングが標準で有効になった。ミドル級のPCでも重いシーンを扱いやすくなっている。

blender.org Blender Release Notes(公式) 5.1の確定情報と5.2の最新状況は公式リリースノートで。ダウンロードも無料、ここから。

年3回リリースの新リズム——次は11月

2026年のBlenderは「3月に5.1、7月に5.2 LTS、11月に5.3」という年3回のリズムで進む。安定を取りたい人は7月の5.2に乗り、新機能を追いたい人は11月の5.3を待つ——という選び方ができる。

無料でここまで進化を続けるソフトは、他分野を見渡してもまれだ。AIがモデルを自動生成する時代になっても、それを開いて、直して、仕上げる場所は必要になる。まずは5.2 LTSのリリースを確かめて、腰を据える1本にしてほしい。次の答え合わせは11月だ。


出典: Blender公式「5.1 Release」(2026年3月17日) / 9to5Linux「Blender 5.2 LTS Beta」 / CG Channel「2026 Blender development roadmap」。5.2の内容はベータ版情報のため正式版で変わる可能性あり(2026年7月12日時点)。

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