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中華LLMランキング2026 | DeepSeek・Qwen・Kimi、オープン5強の現在地

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夜の高層ビル群と赤いネオン

「中国のAIは安かろう悪かろう」——その認識は、もう1年遅れている。2026年の中国発LLMは、コーディング性能で世界トップと6ポイント差まで迫り、しかも多くが無料で改変自由の「オープンウェイト」で配られている。

DeepSeek、Qwen、Kimi、GLM、MiniMax。名前は聞くが、どれが何に強いのか分からない——そんな人向けに、この記事では2026年7月時点の中華LLM5強を、性能・値段・使いどころで並べて整理する。

  • 5強: DeepSeek V4系 / Qwen 3.6(Alibaba) / Kimi K2.6(Moonshot) / GLM-5系(Zhipu) / MiniMax M2.7。
  • 総合王者: DeepSeek V4 Pro——オープンモデルの世界王者。MITライセンスで商用利用も自由。
  • 強み: 性能そのものより「性能÷価格」。入力100万トークン0.14〜0.30ドルは米国勢の1桁下。

コーディング性能で見る5強の序列

DeepSeek V4 Pro(Max)89.8
Kimi K2.688.7
Qwen 3.5 397B(推論)86.7
GLM-5.184.1
図: コーディング評価スコア比較(出典: BenchLM.ai集計、2026年7月時点)。上位2つの差はわずか1.1ポイント。

参考までに、この物差しで米国の最上位モデルは93前後。差は6ポイントで、1年前の「周回遅れ」から「同じ直線の見える位置」まで来た。しかも上位勢の多くが重み(モデル本体)を公開している。

使い分け早見表——「何をしたいか」で選ぶ

やりたいこと第一候補理由
コーディングエージェントDeepSeek V4 Pro / Kimi K2.6スコア最上位。API単価も安い
大量文書の読解(RAG)DeepSeek V4系100万トークンの長い文脈+安い出力
多言語・日本語のバランスQwen 3.6多言語性能で頭ひとつ抜ける
コスパ重視の常用GLM-5系上位級の性能を約1/5の価格で
表: 用途別の第一候補(各種ベンチマーク集計より筆者整理、2026年7月時点)。

GLMについては、Opus級のコーディングを1/5価格で出してきたGLM-5.2の衝撃を以前詳しく書いた。あの路線——「最上位の9割の性能を、1桁安く」——が、いまや中国勢全体の共通戦略になっている。


安さのからくりと、残る不安

DeepSeekのAPIは入力100万トークンあたり0.14〜0.30ドル。米国の最上位モデルの数十分の一だ。安さの源泉は、輸出規制で最新GPUを潤沢に使えない制約が生んだ効率化技術への執念と、オープン公開による開発コミュニティの巻き込みにある。制約が強さに転化した、皮肉な構図だ。

一方で、業務利用には固有の注意点が残る。API経由ならデータの送信先を確認すること(自社サーバーで動かすなら回避できる——オープンウェイトの真価はここにある)。政治的に敏感な話題への応答の偏りも、用途によっては無視できない。性能の話と統治の話は、分けて評価するのが大人の使い方だろう。

「2位グループ」が世界を変える

王座を取れなくても、世界は変えられる。93点のモデルが月数千円かかるとき、87点がほぼ無料で自分のサーバーで動くなら——多くの仕事には後者で足りてしまう。この「十分に良いものが無料」という圧力が、AIの値段全体を下へ引っ張っている。

手元のPCでAIを動かす選択肢が現実になったのも、この5強の存在が大きい。次にAPIの請求書に驚いたら、思い出してほしい。海の向こうには、9割の性能を1割の値段で出す挑戦者が、常に5社いる。


出典: BenchLM.ai「Best Chinese LLMs in 2026」 / Turing Post「Chinese Models Guide」 / Tech Insider「Best Open Source LLM 2026」。スコア・価格は2026年7月12日時点。

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