AIの最前線を、エンジニアの視点で。

アイキャッチにお金は要らない? | Unsplash実践と無料素材の使い分け2026

READ_TIME: 約6分

ガラス瓶に生けられた赤い実の枝

アイキャッチは記事の顔だ。だが有料ストックフォトの月額サブスクを払わないと見栄えが作れない、というのは過去の常識である。当サイトの全記事のアイキャッチは、Unsplashの無料写真だ。商用サイトでも追加費用ゼロで、権利上も問題なく運用できている。

この記事では、当サイトが毎日やっている手順をそのまま公開する。1枚にかける時間は2〜3分。必要なのは、検索クエリのちょっとしたコツと、クレジット表記の作法だけだ。

Unsplashで許されること、ダメなこと

まず土台の確認から。Unsplashの写真は、無料で商用利用でき、許可申請も不要だ。クレジット(撮影者の名前)の表記は義務ではなく「歓迎」扱い。一方で、写真をほぼそのまま販売することと、写真を集めてUnsplashと競合するサービスを作ることは禁止されている。

ブログのアイキャッチに使う分には、堂々と使ってよい——それが公式ライセンスの答えだ。AI学習の扱いなど2026年の細かい但し書きはUnsplashは本当に「無料」かで深掘りしているので、権利まわりが気になる人はそちらへ。

手順は4つ——テーマを「絵になる比喩」に訳す

実践の核心は検索クエリの作り方にある。記事のキーワードをそのまま入れても、良い写真は出ない。「AIの権限承認が自動化される」という記事に「AI approval」と入れても空振りする。当サイトで実際に選んだのは、夜の交差点で光る緑信号の写真だった。「自動で通す」という概念を、目に見えるモノに翻訳したわけだ。

記事のテーマを
ひとことに要約
目に見える
比喩へ変換
英語クエリで検索
(妥協せず言い換え)
16:9で切り出し
クレジット付きで設定

図: 当サイトのアイキャッチ選定フロー。被写体がテーマとズレていたらクエリを変えて選び直す(筆者作成)

ダウンロードは横1200×縦675ピクセル(16:9)が使いやすい。UnsplashはURLにw=1200&h=675&fit=cropのようなパラメータを付けるだけで、サーバー側で切り抜いてくれる。あとはWordPressのアイキャッチに設定し、キャプション欄に「Photo by 撮影者名 on Unsplash」を撮影者ページへのリンク付きで入れる。これで完了だ。

筆者のこだわりは1点だけ。写真に文字やロゴを焼き込まないことだ。以前は暗い帯を重ねてタイトルを載せていたが、写真は死ぬし、記事一覧のタイトルと二重表示になる。素の写真の力に任せるほうが、結局いちばん見栄えがする。

Unsplash以外の無料3サービスの使い分け

サービス商用利用クレジット気を付ける点
Pexels不要(推奨)無修正コピーの販売禁止。人物写真を不快な文脈で使わない
Pixabay不要(推奨)素材をそのまま再配布・グッズ化して売るのは禁止
Openverse素材ごとに異なるCC0以外は必須横断検索エンジンなので、画像ごとにライセンス確認が要る
表: 無料画像サービスのライセンス比較(2026年8月時点、各公式ライセンスページより)。

写真の傾向にも個性がある。海外の洗練された「it感」ならUnsplash、生活感と人物ならPexels、イラストや図版も混ぜたいならPixabayが拾いやすい。OpenverseはWordPressプロジェクトが運営する横断検索で、数億点と規模は最大だが、「全部自由に使える」わけではない点だけ性格が違う。

生成AIで「作る」という第3の選択肢

探しても無い絵は、作る手もある。OpenAIの規約では生成画像の権利はユーザーに帰属し、商用利用も可能だ。Midjourneyは有料プラン加入者のみ商用利用できる。ただし知っておきたい留保がひとつ。米著作権局の立場では、純粋なAI生成画像は著作権で保護されない。つまり「使ってよい」と「他人の転用を止められる」は別の話だ。

この性質は、独自性が命のロゴやキービジュアルには痛いが、記事のアイキャッチには実害が小さい。図解的なイメージや抽象的な背景がほしいときは有力な選択肢になる。どのツールで何が作れるかは画像・動画生成AI完全ガイドを参照してほしい。


無料には無料の「作法」がある

最後に、つまずきやすい点を3つ。第一に、プログラムから自動取得する場合(API利用)はルールが別枠になる。写真URLの直接利用やダウンロード通知が義務になり、無料枠は毎時50リクエストまで。手作業で使う分には関係ないが、自動化したくなったら公式ガイドラインを読むこと。

第二に、人物が写った写真の扱い。病気や犯罪など、写っている人が不快になる文脈に使うのは、多くのサービスで明示的に禁止されている。第三に、被写体の妥協。テーマと関係ない「なんとなくオシャレな写真」は、読者には一瞬で見抜かれる。クエリを3回言い換えても合わなければ、比喩の設計からやり直すほうが早い。

アイキャッチは記事の玄関だ。買った花を飾らなくても、野の花が正しく生けてあれば客は歓迎されたと感じる。要るのはお金ではなく、選ぶ目と作法である。


出典: Unsplash License(公式) / Pexels License(公式) / Pixabay Content License(公式) / Unsplash API Guidelines(公式)

← PREVAIに引用される書き方 | GEO研究と実測データの「効く手」だけ実践するNEXT →AIコンパニオン規制の現在地 | 和解・州法・連邦法案、2026年に引かれた線

// RELATED

関連記事