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Cloudflareがいまアツい理由 | 30年眠っていた「402」が動き出した

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古い門番小屋と鉄の門(Webの関所=Cloudflareのイメージ)

HTTPの仕様には、1990年代から「将来の決済用」として予約されたまま、ほぼ誰も使わなかったステータスコードがある。402 Payment Required(支払いが必要です)。30年間眠っていたこの数字を、本気で動かし始めた会社がCloudflareだ。

世界のWebトラフィックの約2割が通る「関所」は、AI時代に何を企んでいるのか。いまCloudflareが熱い理由を、数字と一次情報で追う。

クロールの主役が「検索」から「学習」に変わった

始まりは2025年7月1日。Cloudflareはこの日を「コンテンツ独立記念日」と呼び、AIクローラーが対価なしに記事を持っていく構造への反旗を掲げた。新規サイトではAI学習クローラーをデフォルトでブロックし、課金して通す「Pay per crawl」を開始した。

2年後の今年7月、同社のレポートが示した数字は衝撃的だ。ボットのリクエストのうちAI学習目的が52%。1年前の22%から倍増し、クロールが集中した業界では人間の訪問が最大40%減った。

2025年春22%
2026年52%

図: クローラーのリクエストに占める「AI学習目的」の割合(Cloudflare公式ボットレポート・2026年7月)

創業者のMatthew Prince氏は、宣言当日にこう書いた。

M
Matthew Prince
@eastdakota

Welcome to Content Independence Day! No AI crawl without compensation.(コンテンツ独立記念日へようこそ。対価なきAIクロールは認めない)

2025年7月1日Xで見る →


30年眠っていた「402」が目を覚ます

今年7月にはこの仕組みを一般化した「Monetization Gateway」を発表した。Webページ・API・MCPツールに値札を付け、AIエージェントがステーブルコインで支払って通る。土台になっているのが、以前当サイトでも解説したx402プロトコルだ。Stack Overflowのような大手も、すでにクロール課金モデルで提携している。

本業も好調だ。直近四半期の売上は6.4億ドルで前年比+34%。株価はこの1年で大きく上げ、6月には上場来高値を付けた。

関所の代償——6時間の沈黙と、20%の削減

影の部分も大きい。2025年11月18日、設定ファイルの肥大化という地味な原因で約6時間の大規模障害を起こし、ネットの広い範囲が沈黙した。世界の2割が通る関所は、転べば世界を巻き込む。

さらに今年5月には、「AIファースト経営への移行」を理由に約1,100人(約20%)の人員削減を発表した。クリエイターをAIから守ると言う会社が、自社ではAIを理由に人を減らす。この緊張は覚えておいていい。Pay per crawlでサイト側が実際いくら稼げたのかも、まだ公開されていない。

通行料の行き先は、誰の財布か

Cloudflareの一連の動きは「Webの収益モデルの作り直し」として本物だ——というのが筆者の見立てである。広告が壊れかけたWebに、通行料という第二の財源を作ろうとしているからだ。

ただし、関所の通行料は関所の持ち主がルールを決める。9月15日には広告掲載ページで「混合用途クローラー」のデフォルトブロックも始まり、検索流入への影響を心配する声もある。書き手と読み手を守る仕組みなのか、新しい徴税人の誕生なのか——通行料の行き先を、私たちはまだ知らない。


出典: Cloudflare「Pay per crawl」(2025年7月) / 同「Monetization Gateway」(2026年7月) / 同・年次ボットレポート / Q1 2026決算(公式)

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