「コードは書かない。雰囲気(バイブス)で伝える」——AI研究者アンドレイ・カルパシー氏が2025年初頭に半分冗談で名付けたバイブコーディング(Vibe Coding)は、1年半で冗談ではなくなった。自然言語でやりたいことを伝え、AIに書かせ、動いたら良しとする開発スタイルは、いまや主流の作り方のひとつだ。
この記事では「どのツールで始めるか」を、あなたがエンジニアかどうかで分けて案内する。結論を先取りすると、道は2本——エンジニアは二大巨頭へ、非エンジニアはWeb完結型へ。
- エンジニアの二大巨頭: Cursor(AIエディタ)とClaude Code(ターミナルのエージェント)。迷ったらこのどちらか。
- 非エンジニアの入口: Lovable・Base44・Replitなど、ブラウザだけでアプリが生まれるWeb完結型。
- 心得: 「動く」と「安全に動き続ける」は別物。公開前の検証だけは省略しない。
エンジニアなら——二大巨頭のどちらか
開発経験者の選択肢は、事実上2つに収斂した。Cursorは「見ながら任せる」派に向く。エディタ画面でAIの書くコードを目視しつつ、Tabと対話で進める。Claude Codeは「丸ごと任せる」派で、ターミナルから機能単位で仕事を投げ、できあがりをレビューする。
開発者調査でもこの2つが最速で伸びており、どちらを選んでも間違いではない。強いて言えば、コードを読みたい人はCursor、結果だけ見たい人はClaude Code——性格診断みたいだが、実際そういう分かれ方をする。
非エンジニアなら——ブラウザ完結型から
環境構築という最初の壁を全部スキップできるのがLovable、Base44、ReplitといったWeb完結型だ。「家計簿アプリを作って。収入と支出を入れてグラフで見たい」と打てば、数分で動くものが出てくる。デプロイ(公開)までボタンひとつで済む。
おすすめの最初の題材は「自分専用の小さな道具」。読書記録、持ち物リスト、割り勘計算機——ユーザーが自分だけなら、失敗のコストはゼロだ。ここで「伝え方」の勘所を掴んでから、人に使わせるものへ進むのが安全な階段になる。
バイブスで書いて、頭で確かめる
楽しい話の後に、大事な注意を3つ。①「動く」は「正しい」ではない。AIのコードは平然と間違う。お金や個人情報を扱うものは、動いた後の検証こそが本番だ。②公開の重みを知る。自分用と公開用の間には、セキュリティという川がある。パスワードやAPIキーの扱いを理解するまでは、公開ボタンを押さない。③読めなくても、読もうとする。AIに「このコードを1行ずつ日本語で説明して」と頼めば、コードリーディングの家庭教師にもなってくれる。
プログラミング学習の順序は、歴史上初めて逆転した。文法から入って挫折する時代から、作りたいものから入って、必要になった知識を後から拾う時代へ。作りたいものがある人にとって、これほど良い時代はない。今週末、何かひとつ「自分専用の道具」を雰囲気で作ってみてほしい。ツール選びから安全対策までの全体像は「AI開発・バイブコーディング完全ガイド」にまとめた。
出典: Business Insider Japan「初心者のためのバイブコーディング入門」 / Felo「バイブコーディング完全ガイド2026」 / NinjaTech「12 Best Vibe Coding Tools in 2026」。2026年7月13日時点。





