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VOICEVOXの使い方 | 30分でずんだもんに初ナレーション

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スタジオのコンデンサーマイク。音声ナレーション制作を象徴するイメージ

解説動画で耳にする、あの少し不思議で親しみやすい声。多くは無料の音声合成ソフト「VOICEVOX」で作られている。看板キャラクターの「ずんだもん」は、YouTubeの解説・実況ジャンルでは本職の声優に匹敵する存在感だ。

では、自分の動画に載せるには何が必要か。答えはパソコン1台と30分だ。この記事は手を動かす人のための手順書に徹する。VOICEVOXの仕組みや成り立ちを先に知りたい人は、解説記事「VOICEVOXとは」を読んでから戻ってきてほしい。

準備するもの——パソコンだけでいい

VOICEVOXはWindows・Mac・Linuxに対応する無料ソフトだ。商用・非商用を問わず使える。高性能なゲーム用パソコンは要らない。グラフィックボード(GPU)がない普通のノートPCでも、CPU版を選べば問題なく動く。生成に数秒待つ場面がある程度の差だ。

マイクも録音環境も不要で、必要なのはキーボードで文字を打つことだけ。「声の仕事」の入口としては、拍子抜けするほど身軽である。最新版は2026年4月末に更新されたVersion 0.25.2で、開発は今も活発だ。

手順1: 入れて、起動して、喋らせる

公式サイトのダウンロードボタンから、自分のOS用のインストーラーを落とす。このとき「CPU版かGPU版か」を聞かれたら、迷ったらCPU版でいい。インストール自体は画面の案内に従うだけで、数分で終わる。

voicevox.hiroshiba.jp VOICEVOX | 無料のテキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェア 公式サイト。ダウンロードはここから。キャラクター一覧と各キャラの利用規約、Q&Aもまとまっている。

初回起動は音声ライブラリの読み込みで少し待たされる。固まったように見えても慌てなくていい。起動したら、画面上部でキャラクターを選び、テキスト欄に文章を打ち、再生ボタンを押す。これだけで、もうずんだもんが喋る。ここまで本当に10分ほどだ。

手順2: 棒読みを卒業する——調整3点セット

そのまま使うと、どこか平板な「読み上げ」に聞こえるはずだ。聞きやすさを決めるのは、イントネーション・話速・間の3つで、VOICEVOXはこの3つを画面上で細かくいじれる。

まずイントネーション。文章を再生して違和感のある箇所は、文字ごとの音の高さをスライダーで直せる。アクセント記号の位置を1つ動かすだけで、人が喋る抑揚にぐっと近づく。次に話速。標準ではやや遅めに感じる人が多く、1.1〜1.2倍に上げると解説動画のテンポになる。最後に間。句読点の無音の長さを調整し、文と文のあいだに呼吸を作る。料理の下ごしらえと同じで、この一手間が完成品の味をほぼ決める。

固有名詞の読み間違いは辞書機能で覚えさせる。一度登録すれば以降の文章すべてに効くので、動画シリーズを作るなら早めに育てておくと後が楽だ。

手順3: 書き出して、動画に載せる

調整が済んだら音声を書き出す。出力されるのはWAVという無圧縮の音声ファイルで、DaVinci ResolveやCapCutなどの動画編集ソフトにそのまま読み込める。編集ソフト側では、話している文章を字幕として重ねるのが定番の合わせ技だ。合成音声は聞き取りづらい瞬間がどうしてもあり、字幕がそれを補ってくれる。

台本をテキストで用意 キャラを選んで読ませる 抑揚・話速・間を調整 WAV書き出し 編集ソフトで字幕と合体

図: VOICEVOXナレーション制作の基本フロー(筆者作成)。慣れれば台本10分ぶんを30分程度で音声化できる。

長い台本は、段落ごとに分けて書き出すと編集で扱いやすい。文章の修正が出たとき、その段落だけ作り直せば済むからだ。


つまずきやすい3ヶ所と、省略できない1つのルール

初心者がつまずくのは決まって同じ場所だ。第一に初回起動の待ち時間。前述の通り故障ではないので、コーヒーでも淹れて待てばいい。第二にMacでの起動時警告。開発元の確認を求められたら、システム設定のセキュリティ項目から許可すれば起動できる。第三に「読み」の事故だ。日付や英単語は意図しない読み方をされることがあり、公開前に必ず通しで聞き直したい。

そして省略できないルールがクレジット表記である。ソフトの利用規約は「VOICEVOXを利用したことがわかる表記」を求めており、慣例は「VOICEVOX:ずんだもん」のように書く形だ。動画の概要欄で構わない。加えてキャラクターごとに個別の規約があり、商用利用の細かな条件はそちらで決まる。無料で使わせてもらう対価がこの一行なら、ずいぶん安い買い物である。

喋る声の次は、歌う声

ここまでで、台本が音声になり、動画に載るところまで来た。VOICEVOXにはもうひとつ、楽譜を打ち込んで歌わせる「ソング機能」も載っている。喋り声のキャラクターがそのまま歌い出す体験は一度試す価値がある。

合成音声の世界は、「AIが作ったものだと分かるようにせよ」というEUの透明性ルールのような議論とも地続きにある。その中でVOICEVOXは「キャラクターの声を、規約の範囲で、誰でも」という割り切りで独自の生態系を作ってきた。クレジット表記の文化は、この透明性を10年先取りしていたとも言えるのが筆者の読みだ。あなたの動画チャンネルの「声」がこの生態系から生まれるのか。それとも数年後、自分の声を合成して使う日が来るのか。答えはまだ誰にも分からない。


出典: VOICEVOX公式サイト(Version 0.25.2・対応OS・機能) / VOICEVOX ソフトウェア利用規約(商用可・クレジット表記) / GitHub VOICEVOX/voicevox(リリース履歴・2026年4月30日更新)

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