「Copilot CLIって、gh copilot suggestのこと?」——もしそう思っていたら、この記事から読み直す価値がある。あのコマンド提案ツールは2025年10月に役目を終えた。いまのGitHub Copilot CLIは、コマンド名もcopilot単体の、まったく別のエージェント型ツールだ。2026年2月に正式版(GA)となり、以降も月単位で機能が増え続けている。
そして最大の意外性はモデルだ。GitHub製なのに、中で動かせるのはGPTだけではない。ClaudeもGeminiも、中国発のKimiまで選べる。この記事では、50種近くまで膨らんだスラッシュコマンドと料金の新制度を、公式ドキュメント基準で整理する。
まず全体像: 3つのモードで動く
使い方の骨格はシンプルだ。npm install -g @github/copilot(またはbrew/winget)で入れて、copilotで起動。あとは自然言語で頼むだけ。動き方はShift+Tabで切り替わる3モード——提案ごとに確認する「標準」、先に計画だけ立てる「プラン」、確認なしで走る「オートパイロット」——で制御する。GitHubのIssueやPRを#番号で会話に取り込めるのは、本家ならではの強みだ。
スラッシュコマンド見取り図(v1.0.71時点)
| カテゴリ | コマンド | 何をするか |
|---|---|---|
| セッション | /new・/resume・/rename | 新規会話/再開/名前変更 |
| /compact・/context | 履歴の圧縮/コンテキスト使用量の可視化 | |
| /share(/export) | セッションをリンク・HTML・Gistで共有 | |
| コード作業 | /plan・/diff・/review | 実装計画/差分確認/コードレビュー |
| /security-review | ローカル変更のセキュリティ検査 | |
| /pr・/delegate | PRの作成・管理/リモートに委任してAIがPR作成 | |
| 自動化・並列 | /fleet | サブエージェントを並列に走らせる |
| /every・/after | 定期実行/遅延実行のスケジュール | |
| /agent・/rubber-duck | エージェント切替/相談用の「壁打ち役」召喚 | |
| /research | GitHub+Webのディープリサーチ | |
| 設定・安全 | /model | モデル選択(Claude/GPT/Gemini/Kimi等) |
| /permissions・/allow-all(/yolo) | 承認ルールの確認/全許可モード | |
| /sandbox | OSレベルの隔離実行の切り替え | |
| 拡張・環境 | /mcp・/skills・/plugin | 外部連携・スキル・プラグイン管理 |
| /instructions・/init | カスタム指示の管理/雛形生成 | |
| /usage・/limits | AI Credits消費の確認/上限設定 |
個性が出ているのは自動化カテゴリだ。/fleetで複数のサブエージェントに仕事を分担させ、/everyで「30分ごとにテストを回す」ような定期実行を仕込める。/rubber-duck(ラバーダック=プログラマーが悩みを話しかけるアヒルのおもちゃ)というセカンドオピニオン専用コマンドまであるのは、遊び心と実用の良い折衷だと思う。
docs.github.com Copilot CLI コマンドリファレンス(公式) 一次情報。全スラッシュコマンドとキー操作の正典。更新が速いのでブックマーク推奨。GitHub製なのにClaudeが動く、という現実
/modelを開くと、選択肢の多さに驚くはずだ。Claude Sonnet 5やOpus 4.8、GPT-5.6ファミリー、Gemini 3.1 Pro、さらに中華系LLMのKimiのコード特化版まで並ぶ。既定の「Auto」は軽めのモデルへ自動で振り分けてクレジットを節約する。「管制塔」路線を宣言したCopilotらしく、自社モデルへの囲い込みを捨てて「選べること」を売りにした格好だ。
読む指示ファイルも懐が深い。自前のcopilot-instructions.mdに加え、業界標準化しつつあるAGENTS.md、さらにはClaude Code用のCLAUDE.mdまでそのまま読む。Claude CodeやCodex CLIと同じリポジトリで併用しても、説明書を書き直す必要がないわけだ。
料金は「AI Credits」制に変わった
注意したいのが料金だ。従量課金化の流れの完成形として、2026年6月から「プレミアムリクエスト」制が廃止され、AI Credits制(1クレジット=1セント、トークン量ベース)に一本化された。プラン込みの目安はPro月1,500・Pro+月7,000・新設Maxで月20,000クレジット。重いモデルほど消費が速いので、/usageでの確認と/limitsでの上限設定はセットで覚えておきたい。
PRの多い人ほど、まず/prから試すといい
三大CLIエージェントの中でのCopilot CLIの立ち位置は明確で、GitHubのワークフローに一番近い場所にいること。Issueを#番号で拾い、/prでプルリクを作り、/delegateでリモートに委任する——この一連の流れは本家にしか出せない滑らかさだ。日々PRを書いては見る生活をしている人なら、まず/prと/reviewの2つだけで、導入の元は取れる。
出典: GitHub Docs「Copilot CLI command reference」 / GitHub Changelog(GA発表) / 同(AI Credits制への移行) / github/copilot-cli。2026年7月20日時点(v1.0.71)。





